個体は遺伝子のための乗り物である

もう10年ほど前に読んだのだが ・・・
イギリスのリチャード・ドーキンス博士が書いた ・・・
利己的な遺伝子」という本には ・・・
「個体は遺伝子を乗せる乗り物である」と書かれていた。
まさにしかり ・・・
僕という人間もただの「乗り物」なのだ。
人間はたしか60〜100兆個の細胞でできているという。
細胞が集まったものが僕なのである。
細胞とは ・・・
要するに遺伝子を守る防護壁のようなものだ。
この体が ・・・
小さな小さな細胞で出来上がっているとは ・・・
ちょっと想像もつかないのだが ・・・
事実としてはそうなのだろう。
足を動かそうとすればそれが出来るし ・・・
耳を掻こうとすればそれも出来る。
この人間の体の動きを ・・・
忠実に実行させてくれるのが遺伝子の働きである。
遺伝子は人間の神経さえもつくったのだ。
えらいものだと思う。
こんな精密な人間という機械を ・・・
つくれたということが凄い!
しかもそれは ・・・
小さな小さな物体の働きなのだ。
僕は今その神経をやられているけど ・・・
だから毎日毎日苦しんでいる。
この苦しさもまた遺伝子のせいである。
誰がこんな苦しみを求めようか。
要するに ・・・
機械は故障するものなのだ。
使い古された機械は老廃する運命にある。
機械の故障=病気だと言えよう。
自分の手を見ても ・・・
そこには遺伝子の姿は見えない。
けど ・・・
まことに小さな指の動きでさえ ・・・
そこに遺伝子を感じることは出来る。
手もまた遺伝子を乗せた乗り物だと言えよう。
不思議なものだ。
僕はそこに神様を考えるのだが ・・・
しかしやはり神様なんてものは居ない。
みんなみんな遺伝子のお蔭なのだと思う。
遺伝子よ ・・・
僕を生かせてくれて有難う。
しかし今の僕は病苦で悩んでいる。
遺伝子よ ・・・
早く僕の病気を治してほしい!